ターゲットボードとの接続
この節では、MITOUJTAGとターゲットボードをつなぐ方法について解説します。
JTAGケーブルを用意する
MITOUJTAGとターゲットボードを接続するには、JTAGケーブルが必要です。
最もお勧めのケーブルはPocket JTAG Cableです。これは、MITOUJTAGを購入した際に同梱されています。

写真1 Pocket JTAG Cable
JTAGケーブルが不要のボードもある
JTAGケーブルに相当するUSB-JTAGの回路がオンボードで搭載されている場合は、JTAGケーブルを用意する必要はありません。例えば、以下のようなボードが挙げられます
Digilentの評価ボード
Digilentの評価ボードはオンボードでUSB-JTAGが搭載されているので、JTAGケーブルを用意しなくてもMITOUJTAGから接続することができます。
TrenzElectronic社製の評価ボード
TrenzElectronic社製の評価ボードはオンボードでDigilent互換のUSB-JTAGが搭載されており、MITOUJTAGからそのまま接続することができます。
特殊電子回路製のFPGAボード/CPUボード
特殊電子回路製の評価ボードでは、オンボードでUSB-JTAGの機能が搭載されているものがあるので、そのようなボードを使用する場合は、USBケーブルを用意する必要はありません。具体的には、下記のボードはオンボードでUSB-JTAGを搭載しているので、別途JTAGケーブルを用意する必要はありません。
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究極のRX62Nボード |
Spartan-6ボード |
EXPARTAN-6Tボード |
ALTERAのUSB Blasterを使う場合
ALTERAの評価ボードを使う場合で、JTAGの端子がボード上のコネクタ出ていない場合は、オンボードのUSB-Blasterを使ってMITOUJTAGと接続することができます。
参考:DE0-nanoのバウンダリスキャン
JTAGの配線の接続方法
ここでは、Pocket JTAG Cableにターゲットボードをつなぐ場合のやりかたを説明します。
基本的なJTAG信号
JTAGの信号は、TCK、TMS、TDI、TDOの4つの必須の信号と、オプションのリセット信号(TRST)から成り立っています。また、電源とGNDも必須です。したがって、次の6本の信号でターゲットボードにつなぎます。TRSTは必要がある場合のみつなぎます。
汎用I/O
デバイスによっては、CPUリセット信号やモード設定信号などが必要になる場合があります。Pocket JTAG Cableでは、これらの目的に使うための信号として、SRST(システムリセット)とINIT(初期化モード)という2つの信号を用意しています。ただし、SRSTとINITはデフォルトでは何の動作もしていません。ユーザが操作できる汎用I/Oとなっています。
表1 Pocket JTAG Cableの信号
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名称 |
色 |
機能 |
|---|---|---|
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Vref |
赤 |
Pocket JTAG Cableに供給する電源。1.5~5.0V |
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GND |
黒 |
GND |
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TCK |
黄色 |
JTAG用クロック |
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TMS |
緑 |
モード遷移 |
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TDI |
白 |
テストデータ入力 |
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TDO |
紫 |
テストデータ出力 |
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TRST |
灰色 |
テスト回路リセット(オプション) LになるとJTAGがリセット |
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INIT |
青 |
初期化モード設定(ユーザ用) |
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SRST |
茶色 |
CPU用リセット(ユーザ用) |
実際の接続の例
それでは、実際に各種のボードでどのような接続になるかを見てみましょう。
フライリードケーブル(フライリードワイヤー)で接続
XILINXやALTERAのFPGAは、TCK、TDI、TMS、TDOの4本のJTAG信号を使います。Pocket JTAG Cableに付属のフライリードワイヤーを接続し、黄色・白・緑・紫の各線をターゲットボード上のTCK、TDI、TMS、TDOに接続します。また、赤の線をターゲットボード上のVCCIO(JTAG用)に、黒の線をGNDにつなぎます。
XILINXやALTERAのFPGAでは、TRST(灰色)は使わないので、オープンにしておきます。
下の写真は、XILINXのSpartan-3A評価ボードに接続したときの写真です。
写真2 XILINXの評価ボードにフライリードワイヤーで接続した場合
リボンケーブルで接続
XILINXのリボンケーブルが搭載されたボードでは、リボンケーブルを使って接続します。リボンケーブルを使う場合はTDIとかTCKとか難しいことを考えずにワンタッチで接続できるので、便利です。
なお、リボンケーブルはPocket JTAG Cableには付属していませんが、Digikeyから品番122-1476-ND、HW-RIBBON14で、939円で購入できます。(平成25年4月の価格)
写真3 XILINXの評価ボードにリボンケーブルで接続した場合
TRSTが必要な場合
ほとんどのFPGAやCPLDではTRSTを必要としませんが、一部にTRSTを使うものもあります。
逆に、ほとんどのCPUはTRSTを必要とします。
次の写真は、ACTELのIgloo nanoスタータキットというボードとPocket JTAG Cableを接続したときの写真です。
写真4 ACTELの評価ボードにリボンケーブルで接続した場合(TRST使用)
この回路の回路図を見てみると、次の図のように12ピンのピンヘッダからJTAG信号が出ています。このvjtagenbというのはあまり意味がない信号のようだったので未接続でも構いませんでした。

図5 ACTELのJTAGコネクタのピン配置
ACTELのIgloo nanoは、XILINXやALTERAとは違い、TRSTという端子があります。この端子はLにするとJTAGがリセット状態になるので、Pocket JTAG Cableの灰色の線をつながなければなりません。
TRSTは、ACTELのFPGAのほか、各社のCPUにあります。
さらに多くの信号が必要な場合
各種のARM SoCなどではTRST以外に、システムリセットや、JTAGのモード設定などさらに多くの信号を必要とします。TRSTとシステムリセットの順序が定められていたり、モード設定を行わないとデバッグ用のチェーンが有効にならなかったり、と様々です。
SHシリーズでもASEBRKという信号があり、これをHやLに固定しないと、安定動作しなかったり、デバッグモードに入らなかったりします。
次の写真はSH-4の評価ボードにPocket JTAG Cableを接続した場合の図です。TRSTはSH-4につなぎます。SRSTは任意です。ASEBRKは常にHしなければなりませんが、INITに接続しておいてPocket JTAG CableからHレベルを供給することで解決できます。
写真6 SH-4 7750Rに接続した場合(TRST、SRST、ASEBRK使用)
Pocket JTAG Cableの電源
Pocket JTAG Cableの赤い線(Vref)には、ターゲットボードから電源を供給します。このVrefによってTCKやTDIなどの信号が駆動されます。したがってVrefに2.5Vを供給した場合、TCK、TDI、TMSは2.5V振幅となります。
Vrefの動作可能電圧範囲は1.8V~5Vです。Vrefの電圧がおよそ1.65Vを下回るとPocket JTAG Cableのエラーランプが赤く点滅して「Vrefなし」と判断します。
IntelのCore-iシリーズやチップセットなどの超高速ICは1.0V以下のI/O電圧を採用しているものもあります。その場合はJTAGの電圧も1.0Vロジックになります。Pocket JTAG Cableは出力バッファを超低電圧のものと交換することで0.8V~1.0Vのロジックに対応することは可能ですが、逆に5Vに対応できなくなります。1.0Vロジックで使用する場合はあらかじめご相談ください。






