MITOUJTAGとは
MITOUJTAG(みとうジェイタグ)は、特殊電子回路㈱の独自技術である「バウンダリスキャン可視化」機能を中心に、様々なJTAGアプリケーションを統合させた、世界初の包括的JTAGサポートソフトウェアです。
2003年度の未踏ソフトウェア創造事業によって採択され、開発されました。
バウンダリスキャン可視化機能とは、普段は見ることができないBGAの裏側の端子の状態を、下の図のように、パソコンの画面上でリアルタイムに可視化する機能です。
ICの1つ1つの端子の状態が、今Hレベルなのか、Lレベルなのか、ということをピンクの丸と水色の丸で示しています。
このような形で、どのようなICの端子でも見えるようになります。また、見るだけではなく、画面上でマウス操作することで、実機のICの端子の状態を書き換えることもできます。これゆえ、ハード・ソフトの 協調デバッグが可能になり、効率的な電子回路の開発と検証が可能になります。
そして、パソコンの画面上に表示されたICの絵をクリックして、書き込みファイルを指定すれば、FPGAやCPLDの書き込みが即座に行えます。
こういった機能を組み合わせて、基板上のフラッシュROMの内容を書き換えたり、ロジックアナライザのように波形を表示したり、スクリプトを組んで決められた動作を自動実行したり、といったことが可能になります。
MITOUJTAGを使うと、オシロとジャンパ線でデバッグしていたような20年前の頃のような手軽さで、最新のICの端子を見たり操作したりすることができるようになります。
MITOUJTAGを導入する5つのメリット
基板の裏に隠れた信号が見えるようになる
MITOUJTAGを導入すると、BGAの裏側に隠れた信号など、従来は観測することが困難だった信号が容易に見えるようになります。このため、回路のデバッグ作業が飛躍的に効率化され、デバッグ時間の短縮が図れます。
何もプログラムしなくても、I/Oの信号を動かせる
オシロなどの測定器と違い、FPGAやCPUの端子を自由に動かせます。
I/Oを動かすだけなら、FPGAのBitStreamやCPUのプログラムを書き換える必要はないので、コネクタにオシロをあてながら端子を操作して導通試験をするといった、オンデマンドな使い方もできます。モード設定やクロックの間違いで正常に動作していなくても、I/Oの端子だけは動かせます。
低価格なので、一人一台使える
オシロやロジアナを使わずに信号が見えるため、高価な機材(固定資産)を購入する費用を低減することができます。また、MITOUJTAGはエンジニアに1人1台ずつ購入しても設置のためのスペースを必要としないため、机上を圧迫しません。
エンジニア(あなた)のストレスを低減
プリント基板を開発した初期の段階で信号が見えるため、「開発した基板が動くだろうか」という組み込みエンジニアの心労を軽減することができます。
国産ソフトウェアだから電話で問い合わせができる
外国製のバウンダリスキャンソフトウェアとは異なり、MITOUJTAGは純国産のソフトウェアです。いざというときには特殊電子回路が電話やメールでサポートします。代理店を経由した間接的なサポートではなく、開発者が直接サポートをいたします。困ったときに頼れるのは、日本製です。