トラ技付録H8ボード

トラ技付録H8ボードをMITOUJTAGでデバッグする。

トラ技2004年4月号に付属していたH8ボードの波形をMITOUJTAGで観察します。

目的

トラ技付録のH8ボードはとても優れたボードですが、自分で何かのアプリケーションを開発しようとすると、どうしてもオシロスコープなどのデバッグ手段が必要になります。

オシロを持っていないアマチュアユーザの方では、雑誌のサンルで遊ぶ以上のことができない方が多かったのではないでしょうか?

そこで、オシロやロジアナがなくてもMITOUJTAGがあればハードウェアのデバッグが可能になることを示します。

方法

H8/3694FにはJTAG機能はついていないので、直接観察することはできません。そこで、適当なCPLDを用いて間接的にH8のI/Oを観察します。

まず、トラ技H8ボードの全I/OをXILINX XC95108のI/Oにつなぎます。ここでXC95108を使用したのは、たまたま余っていたからです。このCPLDには何もデータを書き込まずにただのI/Oとして使用するので、どんなCPLDでも構いません。ALTERAのCPLDでも、LATTICEでも構いませんし、FPGAでも構いません。

接続の回路図は下の図のようになります。

 

※ クリックで拡大します

 実際に万能基板上に組み立てると、次の写真のようになります。

この基板には、H8ボードとCPLDの他に、RS232Cレベルコンバータと電源の3端子レギュレータをのせています。

MITOUJTAGを起動して、CPLD(XC95108)を認識し、84ピンパッケージを指定します。

そして、「SAMPLE」を実行すると、下の図のように、CPLDの各ピンの状態が赤や青で色分けして表示されます。CPLDのピンと、H8のピンは1対1に対応しているので、CPLDのピンの状態を見るということは、すなわちH8の各ピンの状態を観察していることになります。

JTAGロジックアナライザを起動すると、次の図のように、H8ボードの出力する波形がリアルタイムに表示されます。

これで、オシロやロジアナを使えないような状況でも、JTAGを用いれば回路のデバッグがとても簡単にできるようになります。

オシロやロジアナとの違い

オシロを使わなくてもデバッグができるとはいっても、オシロが全く不要になるわけではありません。MITOUJTAGは、オシロやロジアナと並ぶ新しいデバッグ方法です。もちろん、従来のオシロスコープやロジックアナライザでなければできないことも多くあります。

オシロによるデバッグと、MITOUJTAGによるデバッグの長所短所を簡単にまとめると、次の表のようになります。

 

オシロスコープ

MITOUJTAG

長所

リアルタイム

高速

波形をアナログ的に観察できる

BGAパッケージや多層基板のような立体的に隠れた信号を観察できる。

信号の入出力の方向がわかる。

数百本の信号を同時に観察できる

非接触

リアルタイム

短所

アマチュアユーザが簡単に購入できない価格

BGAパッケージなど、立体的に隠れた信号を観察できない。

数本の信号しか観察できない

プローブを接触させる時に事故が起こりやすい

信号の入出力の方向はわからない

速度はあまり速くない

波形はデジタル的

 

 JTAGは、数百本の信号をシリアルに変換して送っているため、どうしても速度は遅くなります。しかしながら、JTAGにはそれを補ってなお余りあるメリットがあります。

 オシロによるデバッグと、MITOUJTAGによるデバッグの両方上手く使い分けると、非常に効率的なデバッグができるようになるでしょう。